
薬の自己管理へのステップアップ
こんにちは。One's place管理者の小山です。
今回は、入居者さんの「できること」がまた一つ増えた、そんな嬉しい出来事についてお話ししたいと思います。
入居当初のこと
One's placeに入居されているCさん(仮名)は現在20歳。入居してから、もうすぐ2年になります。
グループホームへ来た当初、Cさんにはひとつ心配なことがありました。
毎日の服薬です。
「飲み忘れてしまったらどうしよう」——そんな不安を感じていたCさん自身の希望もあり、薬は事務所でお預かりすることにしました。薬を飲むタイミングになると、スタッフがCさんに手渡し、一緒に確認する。そういうサイクルで、ずっと続けてきました。
2年間で、できることはどんどん増えた
それから2年近く。Cさんの生活は、少しずつ、でも着実に変わっていきました。
就労にも通い続け、ホームでは家事をこなし、時にはお出かけも一人でできるようになりました。自分のことを自分でやりとげる経験を、Cさんはコツコツと積み重ねてきたのです。
そういうCさんの姿を日々見ていたスタッフたちが、ある会議でこんな話をしました。
「そろそろ、薬を自分で管理することもできるんじゃないかな」
本人に確認してみると
スタッフ間で意見が一致したところで、大切なのはCさん本人の気持ちです。
「薬を自分で管理してみることについて、どう思う?」
そう尋ねると、Cさんはこう答えてくれました。
「できると思います。」
頼もしい一言でした。
薬カレンダーを使って、一緒に確認
とはいえ、いきなり「はい、どうぞ」と全て手放すわけではありません。
まずは薬カレンダーを用意しました。曜日ごとにポケットが分かれていて、朝・昼・夜の薬を自分でセットできる、シンプルなものです。
流れはこうです。
Cさんが薬カレンダーにセットする → スタッフが確認する → 飲んだかどうかをCさん自身がスタッフに報告する。
ひとつひとつのステップを、丁寧に踏んでいきました。
「飲みました」の一言が、頼もしくて
やってみると、Cさんはとても丁寧にカレンダーをセットしてくれました。
しかもいつの間にか、こちらから確認する前に、Cさんの方から声をかけてくれるようになったのです。
「今日の薬、飲みましたよ。」
その一言が、スタッフにはとても頼もしく、そして嬉しく響きました。
本人も自信がついてきた様子で、日々の報告がだんだん当たり前の習慣になっていきました。
支援の「量」を考えること
今回のことを通じて、改めて考えさせられたことがあります。
「どこまで支援すればいいのか」「今の支援は、もしかして多すぎないか」——これは、グループホームの運営においていつも頭の中にある問いです。
支援が足りなければ本人が困る。でも、支援が手厚すぎると、本人がやれるはずのことまでスタッフがやってしまうことになる。
どこが「ちょうどいい」かは、一人ひとり違うし、その人の状況によっても変わります。正解がひとつあるわけではありません。
ただ、Cさんの姿を見ていて感じるのは、「できる」というのは、やってみて初めてわかる、ということ。まだ試していないうちから「難しいかも」と決めつけてしまうのは、もったいないことだなと。
これからも「できた」を積み重ねていく
自転車の練習をしているAさん、ボッチャ大会で輝いたメンバー、DIYを手伝ってくれたA君。
One's placeでは、一人ひとりの「やってみたい」「できるようになりたい」という気持ちを大切にしてきました。
今回のCさんの薬の自己管理も、そのひとつです。
小さな一歩かもしれないけれど、本人にとってはちゃんと「自分でやれた」という実感になる。その積み重ねが、自信につながっていくのだと思います。
Cさん、本当によく頑張ってくれました。
これからも一緒に、「できた」を増やしていきましょう!


