障がいをもつ方が生活する場所として、徐々に認知されてきているグループホーム。
4月に高崎市でオープンしたグループホーム One's placeにも、入居希望の方や関連サービスの方、特別支援学校の先生など見学に来て頂いております。来て頂いた方からは、「普通の家と変わらなくてびっくりした」「もっと施設っぽい場所かと思った」などの感想を頂いています。そこで、今回はグループホームに適した建物について考えていきたいと思います。
住環境の重要性
私たちは、ふだん気づかないうちに空間や周囲の環境からのさまざまな影響を受けて生活をしています。なかでも住環境は、日常的に心地よさや不快感をもたらします。空間の豊かさが、日常の生活を大きく包み込んでくれる可能性をもっています。住環境は居住者の暮らしが変わり、意識や人生も変わる重要な条件です。とくに障がいのある人は、ただでさえ精神的にデリケートな場合が多く、快適性が生活意欲につながる反面、周囲の状況に順応することが苦手な場合には、多くのストレスもたまるでしょう。グループホームに限ったことではありませんが、良好な住環境をつくるには、次のようなことに配慮する必要があると考えます。
①人と人との距離感
人と人の間には、その親密度によって必要な距離が必要だと言われています。仲の良い者は隣同士にくっついていても気にはなりませんが、相性の悪い人とは一定のスペースが欲しくなります。また、その疲労や時々の心理状態によって、気のもち方も変化するでしょうから、一人になりたいことはよくあります。住まいの中に個室を持っていたとしても、住居が狭く、他の入居者との距離を充分とることができないと、時おり不安定な心理状態に陥った場合に、それが伝搬することもあるでしょう。
②管理しすぎていないか
また、常に誰かの人目の中で過ごさざるを得ず、自分の時間・空間をもてない不安定な状況では、他の入居者との対人関係などで、さまざまなトラブルの原因ともなりますし、管理される空間は、自らの意思などを放棄し、依存した生活に陥ることにもなることを、 念頭におく必要があります。
「住まい」としてのグループホームに求められること
共に暮らすルームメイトの存在は、施設生活のような「上から」の指示的・教育的支援ではなく、共同生活に伴う役割分担や相互の助け合いなど「横につながる」関係を構築することができ、時として生活意欲を高めることに繋がります。クグループ・ダイナミックスとも呼ばれるこの効果は、高齢者の場合には認知症の進行を抑えるなど、よりよい老後を過ごすことにもつながるようです。障がいのある人にとっては、能力低下の予防としてではなく、より積極的に自律性を向上させることのできる有効な居住形態の一つと言えるでしょう。とはいえ、共に暮らすことが、イコール(小規模とは言え)集団行動をすべきということではありません。
個人の生活を配慮した生活
居住者はお互いに実の家族ではない成人した男女ですので、個人の生活を重視した自立的なライフスタイルを確立できるようにしなければなりません。居住者一人ひとりが、それぞれ自分の望む暮らしを、より良く組み立てていくことができるような住環境を整えることが望ましいことです。
ホームの外観
グループホームとは可能な限り「普通」の生活を実現するための住まいであることは言うまでもありませんので、当然ながら、一般施設のようにホーム名を記した誇大な看板などは望ましくありませんし、外観のうえでも見る人に、いわゆる施設的といった特殊な印象を与えないように気をつける必要があります。
まとめ
今回は、グループホームの建物から適した住環境を考えてみました。
群馬県の高崎市でグループホームを運営しているOne's place(ワンズプレイス)では、障がいを持つ方がカジュアルに暮らせる生活を提供しています。今後もグループホームに関する情報やOne's place(ワンズプレイス)に関するお知らせ等をお伝えしていきます。
(グループホーム One’s place 鳥毛)