「自転車に乗って、行きたいところへ」――19歳の挑戦

こんにちは、小山です。
今日は、one’s place に入居されている18歳のAさん(仮名)が、自転車に挑戦することになったエピソードをご紹介します。

Aさんは、特別支援学校を卒業されたばかりの19歳。

ご家庭の都合で学生時代から寮生活をされ、卒業後、「安心できる環境で生活を始めたい」との思いから、グループホームone’s placeに入居されました。

Aさんは日常生活の中で「経験」が不足している面がありましたが、入居してからというもの、家事や公共交通機関を利用しての外出、仕事など、さまざまな新しいことにどんどん挑戦し、できることをどんどん増やしています。

性格はとても素直で前向き。

野球が大好きで、世話人さんに高校野球の話を熱く語ったり、時にはグループホーム内の家事を自ら手伝ってくれたりと、私たちスタッフにとっても存在がとても大きい方です。

一人で近くのスーパーに行きたい!

そんなAさんが、ある日こう話してくれました。

「一人でスーパーに行ってみたい。」

グループホームの近くには、徒歩で行けるスーパーがあるのですが、道のりは少し遠く、歩いて行くにはなかなかの体力と時間が必要です。

そこで、one’s placeでは毎月開催している未来会議でこの話題を取り上げました。

スタッフ間で検討した結果、「自転車が使えれば、行動範囲がぐっと広がるのでは?」という話に。本人にも相談したところ、目を輝かせながら、

「やってみたい!乗れるようになったら、行きたいところがたくさんある!」

と、力強く答えてくれました。

こうしてAさんの「自転車チャレンジ」がスタートしたのです。

金曜日は、自転車の練習日

毎週金曜日、天気と体調が良ければ、世話人と一緒に近所の広場や練習できそうな場所まで移動し、自転車の練習を行っています。

使用している自転車は、私・小山の自宅で眠っていた折りたたみ自転車。

ちょっと懐かしさのあるその自転車が、今、Aさんの「挑戦の相棒」として頑張ってくれます。

そして、教えてくれている世話人さんは、かつて地域の少年サッカーチームのコーチをしていた経験があり、人に教えること・励ますことがとても得意

Aさんの緊張をほぐしながら、ゆっくり丁寧にサポートしてくれています。

 

 

 

 

 

最初はサドルに座って足で地面を蹴るところからスタート。   

初日は少し怖がっている様子もありましたが、数回目の練習では少しずつバランスの感覚を掴み始めていて、本人も「楽しい!頑張るぞ!」と笑顔を見せてくれるように。

まだ始まったばかり。でも、その一歩が大切

現段階では、まだまだ「練習を始めたばかり」。

正直に言うと、スムーズに乗れるようになるまでには少し時間がかかりそうです(笑)。

でもそれでもいいんです。

大切なのは、「やってみたい」と自分で思い、行動に移せたこと
そして、「一人でスーパーに行きたい」という夢に向かって、今できる一歩を踏み出せたことです。

スタッフとしては、本人の「やってみたい」という気持ちを応援し、寄り添いながら見守っていきたいと考えています。

いつかきっと、自転車でスーパーへ出かけるAさんの後ろ姿を見送る日を楽しみにしながら、今日も一緒にペダルを漕いでいきます。

一人ひとりの「できた!」を積み重ねていく

グループホームでの生活は、「日常の中の小さな挑戦」の連続です。
料理をする、バスに乗る、洗濯物を干す――そんな一つひとつの「初めて」を経験し、「できた!」という実感が、入居者さんの自信と笑顔につながっていきます。

Aさんの自転車チャレンジも、そのひとつ。

私たちスタッフも一緒に成長しながら、これからも「やってみたい」「できるようになりたい」という気持ちに寄り添っていきたいと思います。


いつかこのブログで、「ついに自転車でスーパーへ!」という報告ができる日が来ることを楽しみにお待ちください!

 

 

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